extra macrochaetae, encoding Drosophila Id, controls apical cell shape in the hindgut epithelium
Published:
Recommended citation: Ishibashi, T., Matusno, K.† (2022) "extra macrochaetae, encoding Drosophila Id, controls apical cell shape in the hindgut epithelium" microPublication Biology. https://doi.org/10.17912/micropub.biology.000526
簡単な解説
本研究では,上皮細胞の頂端面の面積制御にemc遺伝子が必要であることを示し,以前までの研究12と合わせると,emcは細胞の左右非対称な形態や細胞の大きさなど,細胞レベルの形態を制御することで器官レベルの形態形成に関わることを明らかにしました.
これまで細胞キラリティ解析の対象としていたemc突然変異体において12,腸上皮アピカル面の面積が増大していることを突き止めていました. このアピカル面の面積増大は,emcの強制発現で救済できたことから,Emcが細胞キラリティだけでなく,腸上皮の面積や体積制御にも関わることを発見しました. さらに,emcの下流であるdaはこのアピカル面の面積増大には関わっていないことも示し,EmcがDaとは独立に細胞の大きさを調節していることも明らかにしました. このように,emcの突然変異体では細胞が大きくなってしまい,腸が通常よりも太短い形態になることも示しました.
これまで,Emcは転写調節因子として細胞の分化・増殖を制御して細胞の数や分化運命制御によって,多細胞形態形成に関わると考えられてきました. 本研究成果は,Emcが単なる分化増殖制御を超えて,細胞レベルの形態をうまく調節させることで,多細胞の形態形成を行っていることを示唆します.