A non-invasive method for sexing first and second instar larvae of termites using external morphology

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Recommended citation: Takata, M., Inagaki, T, Ishibashi, T., Tasaki, E, Matsuura, K. (2020) "A non-invasive method for sexing first and second instar larvae of termites using external morphology" Insectes Sociaux, 67:487–493. http://link.springer.com/article/10.1007/s00040-020-00785-2

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簡単な解説

本論文は,シロアリの非侵襲的な性判別法を新しく開発したことを報告するものであり,私の名前が初めて載ったシロアリに関する論文です.

性に特異的な行動パターンは,多くの生物で観察されるため,効率的な性判別法は,行動生態学的に非常に重要な意味合いを持ちます. これまで,シロアリの若齢幼虫では形態的な性差が発見されておらず,解剖・染色や性染色体をターゲットとするPCRなどによる侵襲的な手法しか存在していませんでした.

本論文では,シロアリReticulitermes speratusにおいて,腹板の毛の本数が雌雄で異なることを発見し,この特徴を用いることで,PCRによる分子生物学的な性判別法と同等の厳密さで雌雄の性判別が可能であることを示しました. また,R. speratusで発見された毛の本数による性判別法は,異なるシロアリ種であるZootermopsis nevadensisにおいても利用可能であり,本研究は,広いシロアリ種における新規な性判別法を開発したという点で生態学的に重要な立ち位置にあります.

最後に,本論文は,私が京都大学に来て出会えた聡明で心優しく面白いポスドク仲間である高田守博士と田﨑英祐博士の3名が連名となった仕事であり,個人的に思い入れの深い論文であることを申し添えておきます.